トモイさんの家 [無垢材の床] 無垢材だからこそできるディティール

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↑玄関。「上がり框(カマチ)」という言葉をご存知でしょうか?上がり框、意識したことございますか? 上がり框とは、靴を脱ぐ段差部分の床の最端部の材料のことです。

↑と言った矢先ですが、この家の玄関は一般的にあるはずの上がり框が「無い」ディティール。どういうことか?これは、床材(オーク無垢)を切り離しにしたディティール = 床材の最後の1枚を上がり框の代替としてしまうという床のディティールです。シンプルで素朴なディティール。この素朴なディティールは、実は床材が無垢材だからこそ成せる設計術。ちなみに、この玄関土間はモルタル+防汚塗装仕上げ。また、写真左はパントリーにつながる部分。このパントリー側の上がり框も同様に切り離しのディティール(ちなみに、写真は「鏡の引き戸」を開け放している状態)

そもそも無垢材の定義・性質とは、歩行する表面だけが無垢素材であるだけでなく、床の切断面(小口:こぐちと言います)も無垢素材が表れる素材のこと。つまり表面的な素材ではなく、文字通り、本物の木の「かたまり」。

一方、例えばですが、無垢材でないフローリングの場合、床の切断面に床材自体の下地ベニヤが露出してしまうなどの素材性質があります。だから、このような切り離しディティールの採用は、なかなか難しい…。また、無垢材であっても床材そのものの厚さが薄い場合は、強度上、上がり框の代替とするのはこれも難しい…。純粋に木の「かたまり」である素材であって、かつ、然るべき材厚があることで実現するディティール。

無垢材の足触りの良さは、もはや言うまでもなく素晴らしい。ただし、無垢材の良さは足触りだけではない。無垢材だからこそ可能な「良い素朴なディティール」というものもあります。そんな素材と設計を巡る事例のお話でした。