Ten to Sen(ヘアサロン) Ten to Sen
株式会社テントセンさんの移転新店舗。建築・家具・庭の設計施工を手がけさせて頂きました。建設地は日立市多賀です。
「街の小さな公園」のような庭 = Ten to Sen Garden。そんな庭を潜り抜ける敷石のアプローチ。庭には大きな庇を設えたエントランステラスが寄り添います。Ten to Sen Gardenはこの街に誕生した「みんなの庭」です。キッチンカーがやってくることも。
庭を眺める大窓や大庇はこの店舗オリジナルの造作設計です。外観および内観との調和を図った木の大窓や大庇が、庭と室内を一体的に関係づけています。ミニマルでありながらも優しさをもたらす佇まいを図りました。
そして、エントランスから室内へと入り込むと、総漆喰塗りのニュートラルな建築空間が来店するお客様をお待ちしています。また、室内空間は「四角い”木の家具”が散在する抽象的な森」をイメージした”造り付け家具の数々”が特徴的にシリーズ化しています。
造り付け家具同士の配置や寸法の在り方によって、全体空間をソフトに分節し「待合」「レセプション」「カット」「シャンプー」「カラー調合」といった各スペースを適度にゾーン分けしています。造り付け家具は展示棚や汎用収納の他、お客様用ロッカーやスタイリング用ワゴン置き場の機能をも担っています。セット面の造り付け家具は表鏡と裏鏡の間にドライヤーやタオルを収納する機能も備えます。
また、造り付け家具は単に機能的であるだけでなく”人”の居心地にも寄与するべきだと思考して設計しました。
この建築では、”人”は立ち上がっている時や歩き回っている時は広々としたワンルーム的な居心地を体感できます。これは、造り付け家具同士の間に存在する幾つもの”伸びやかな通り道”であったり”空間の抜け”が生む効果です。
一方、”人”は椅子に座ったりシャンプー台に身を預けると同時に目線レベルが下がり、自身のまわりの造り付け家具の数々に身体を囲い込まれます。これが、別ゾーンからの視線を程よく遮断する効果をもたらします。この時、”人”はどこか半個室的な落ち着いた居心地を感じ得ることができます。
そんな「ヘアサロン業の機能」や「ヘアサロンにおける”人”の居心地」の在り方を紐解きながら設計した建築です。
そして、クライアントであるTen to Senさんの経営哲学「クリーン・ミニマル・シンプル」を、どうやって建築というカタチをもって体現するか?それを設計当初から完成までずっと考え続けたプロジェクトです。かけがえのない建築のひとつです。
Ten to Sen 店主・和田さんがブログに綴ってくださった建築評もぜひ>こちらから
Special thanks to
Ten to Sen
[ヘアサロン]
茨城県日立市
HP:https://tentosen-hair.com/
Instagram:https://www.instagram.com/tentosen.hair/