ミサトモさんの家とCAFE HITOTOKI 人と木をつなぐ建築

 

CAFEであり家でもある建築です。この建築は当分の間CAFEとして使われます。その後、やがては建築全部を住宅として転用できるプランとなっています。「CAFEとしても住宅としても使える建築を」というミサトモ(仮名)さんのご構想の実現に向けて設計施工をいたしました。

この建築は、ミサトモさんの先祖代々の高萩の山の木を存分につかっています。建設地も高萩です。

というのも、依頼主のミサトモ(仮名)さんのご先祖は高萩市で林業や製材業を営んでおりました。ミサトモさんの高萩の山は、現在でも山の管理や木の伐採出荷が行われています。

山の木の伐採〜山から地元の製材所への木運び〜製材や乾燥加工〜建築づくりというプロセスを全横断した地産地消プロジェクトです。

設計施工元の私たち暮らし図も何度も山や製材所へ通いながら建築をつくっていきました。「木」に関わる様々な「人」が連帯して作り上げた建築です。山を管理し伐採している森林組合さん(=杣”そま”の人といいます)、製材屋さん、材木屋さん、大工さんや木工屋さん…枚挙にいとまがないです。

そもそも、木の建築がこの社会に存在する背景には、このような様々な木のプロの人々の仕事や連帯があってこそです。私たちもこのプロジェクトを通じ、山や木や産業について更なる学びや示唆を得ることができました。ミサトモさんへの多重な感謝の想いでいっぱいです。

そんなプロセスもあって、ミサトモさんはCAFEの名を、CAFE HITOTOKI(人と木)と名付けました。人が木を育て、人が木を素材とし、人が木を組み上げる。そして、木の建築や木の家具が生まれる。そんな木の空間で、人が木に触れる・包まれる・癒される。

“ひととき”の時間を過ごす。これは、人と木をつなぐ建築です。

雨戸を閉じた時の外観

この土地には、かつて、ミサトモさんのご実家が建っていました。住宅地の一角です。その頃の環境の残りとして、建設地に石蔵や石畳みが残っていました。そんな石蔵を横手にし、石畳の突き当たりに新築のCAFEのエントランスがぴったりと位置するような設計としました。

かつての物事と新しい物事。それらができるかぎり調和するように。

戸を開く。そうして「人と木をつなぐ建築」CAFE HITOTOKIがオープンします。

雨戸が開いた時の外観

ガラス戸、網戸、雨戸が正面外観になっています。木板貼りの外壁材やエントランスベンチも高萩の山の木です。

室内も木に溢れています。山の木を様々な仕方で「料理」した建築です。ぜひ、ご堪能ください。

西側の住宅玄関。南側のCAFEエントランスおよび客席が将来的に住宅のリビングやサンルームに転用した場合を考慮し、西側に住宅玄関を計画しました。

Special thanks to
CAFE HITOTOKI
[カフェ]
茨城県高萩市
Instagram:https://www.instagram.com/hitotokicafe/
※2023年9月時点でオープン準備中