こどもとおとなの複合施設 こどもの舎と、おとなの舎
この計画は、こども園とオフィス(農業関連の法人)を同一敷地に計画するプロジェクトです。依頼主は当初、こども園とオフィスという全く異なる用途・業態を、同一敷地内にどのように構想すればよいかどうかに悩んでおりました。悩みの中、土地の分割も頭によぎっていました。そんな悩みや将来構想に耳を傾かせて頂きながら対話をさせて頂きました。そして、私たち暮らし図はこのような提案を見出していきました。
ご提案したのは、まず、こども園を「こどもの舎」という長い平屋建築とし土地の北側に配置。かつ、オフィスを「おとなの舎」という長い平屋建築とし土地の南側に配置。そして、2つの平家建築の間に大きな中庭(園庭)を誕生させるという案です。
大きな中庭は、”こども”と”おとな”が風景を共有する空間です。土地の分割といった”分離”や”無関係”をコンセプトにするのではなく、土地の”共有”や”関係を結ぶこと”こそをコンセプトとしました。
「こどもの舎」や「園庭」で活動する”こども(園児)”を、「おとなの舎」から”おとな(ビジネスワーカー)”が眺めながら見守っている。逆に、「おとなの舎」で仕事をしている”おとな”の姿や雰囲気を、”こども(園児)”が眺めながら安心している。そんな、あたたかな眼差しのある日常風景をイメージしながら考えていった企画案です。
企画競技であり、残念ながら選定には至りませんでした。しかしながら、こんな建築・こんな暮らし・こんな光景がある社会の一端を、チャンスがあれば是非つくってみたいと今でも想い続けています。