

ヒコノさんの曲がり家 中庭を包む「曲がり」の家(日立市)
L型に曲がった形状の家が中庭を包みます。「曲がり」の家が完成いたしました。庭の工事はこれからですが、家と中庭の落ち着きある関係がかたちとなりました。新しくも懐かしい、タイムレスな住まいが出来上がりました。
木塀で囲んだ中庭ゾーンと、アプローチゾーン。外部空間を2つのゾーンに役割分けした家です。一方では落ち着きある庭、もう一方では実用的な玄関への動線。それらの両立を図りつつ外観を構成しました。
軒下アプローチゾーンにくぐり入る様子。これから植木や造園を予定しています。
軒下アプローチです。心地良く歩き抜けたい空間をつくろうと、お施主さんと想いを共にした空間の1つです。駐車場と玄関をつなぐ動線空間。歩くたびに「良いんだよなぁ、この空間」と思いながら住んでもらえたら、これ幸いです。最初の最初の設計第1案から考えていたイメージが、そのままかたちとなりました。
玄関です。ひっそりとしつつも、味わい深い。洗練しつつも、ホッとする。そんな空間を、漆喰や木の造作によって構成しました。
玄関ホールの正面には洗面室へのショートカット動線も計画しました。
玄関ホールから洗面室へ。洗面室からキッチンへと裏動線がつながります。
玄関ホール。洗面室の引き戸を閉めた状態
LDKです。玄関ホールからの主動線と、洗面室からの別動線。2つの動線からLDKへ入室できます。
中庭を見る。中庭を介して見えるのがベッドルームゾーン。中庭面の窓には全て縁側があり、連続感を生み出しています。
木構造の秩序を感じられつつ、壁と天井の全てを砂漆喰で包み込んだ「まるごと自然素材空間」です
「庭への大窓」と「横長の高窓」、2種類の窓を設え、採光・通風・心地良さの在り方を整えました。
たっぷりと大きな壁面を背にしたソファポジションはやはり落ち着きます。
高窓の木製引き戸。横桟のデザインが空間の印象を整えます。
キッチンです。オープンキッチンのご要望をカタチにしました。キッチンと家全体が違和感無くまとまるように、キッチンは「設備」というよりも「造作家具」と位置付けて設計しました。
例えばキッチンの木の腰扉や棚であったり、更にはシンク上に浮かぶ木製の吊り照明の造作など。キッチンを建築全体の質感と関連性をもたせ空間全体に溶け込ませました。
縁側のようなスペースです。2つの個室への動線空間を庭に面するように計画したので、縁側のようになりました。
隣り合う2つの個室と一体で使用したり、陽だまりで寛いだり、物干しや家事机をも担える空間です。
物干しバーは、実用を担いつつ、かつ空間印象と調和するよう「用の美」の観点から造作しました。地味ですが、暮らし図オリジナル物干しです。
縁側のようなスペースの突き当たり。突き当たりの右が納戸。2つの個室の引き戸を閉めた様子
手前から、多目的室・ベッドルーム。奥にクローゼット。
玄関ホールの壁に小さな鏡を掛けました…というように見えますが、実は室内窓です。室内窓が開くと空間同士がさりげなくつながります。空気や気配がつながります。室内窓はパントリーを介してキッチンにつながるので、来客時には閉めておけば良しです。
パントリー。室内窓がキッチンと玄関ホールをつなぐ。
造作洗面台
トイレと手洗い
トイレのドアのディティール。真鍮製
玄関ホール。左が、リビングへの入り口。引き戸は壁に引き込めるため、引き戸の手かけが取りやすいように、枠に掘り込み造作を施してあります。
砂漆喰のディティール