ミサトモさんの家とCAFE HITOTOKI 窓辺の間接光

光が室内に差し込んでいる様子です。

窓の木製引き戸に乳白スクリーンを組み込んでいます。屋外を眺めるための透明窓とは別の在り方の窓の設計です。

外の光、すなわち鋭い直射光が、乳白のスクリーン面で拡散し、フワッとしたやわらかな間接光に変換されます。この光の変換の具合をこそ設計しました。

フワッとしたやわらかな間接光は、室内を均整的に明るくする効果に加え、砂漆喰の壁のザラっとしたテクスチャーをより一層に際立たせる効果も。これらの効果は、やはり直射光よりも間接光のほうが適っています。

質感、素材感、空気感。うん、心地良い”状態”です。

そんな光やテクスチャーの際立ちが、“人”の心に建築的な情緒をもたらすのではないでしょうか。言葉には変えにくい、何とも言い難い建築的な情緒を。

そういう意味で、建築とは非言語的な価値が宿る、なんとも魅力的なものです。

良き大工さん、良き左官屋さん、良き建具屋さんがチームにいてこそ生み出すことができる「窓辺の造作」であり「光の変換」であり「壁のテクスチャ」であり、すなわち「建築」であると思っています。

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